防衛省は、いずも型護衛艦の事実上の空母化に向けた改修を進めているが、中国は日本の空母保有に向けた動きに極めて高い関心を寄せ、警戒している。中国メディアの網易はこのほど、「空母化が完了すれば、いずもの戦闘力は遼寧より強くなると言わざるを得ない」とする記事を掲載した。


 記事は、護衛艦「いずも」が3日、米ステルス戦闘機・F35Bの発着艦試験を初めて行ったことを紹介した。固定翼機が日本の艦艇に発着艦するのは「戦後では初のこと」だとし、記事は「ヘリコプター護衛艦という装いを脱ぎ捨て、いよいよ実力ある軽空母に変わったことを意味する」と主張した。

 そのうえで、今回発着艦試験を行った護衛艦「いずも」は、中国の空母「遼寧」と比べると排水量で大きく下回っているが、F35Bを搭載すれば「遼寧」の戦闘力を上回るようになると分析した。なぜなら「いずも」は10数機のF35Bを搭載することができ、F35Bは米国の最新ステルス戦闘機であるがゆえに性能面で中国の艦載機・殲15を圧倒しているからだと論じた。

 さらに、F35Bのステルス性は殲15より高いだけでなく、アクティブ・フェーズドアレイレーダーを搭載しているので、殲15のような目標物なら200キロ先でも探知できるが、殲15のレーダーの探知距離は40キロに過ぎないと強調し、その性能の差は顕著であると強調した。

 また、中国の戦闘機でF35Bに対抗できるのは殲20のみであり、殲10や殲15ではとてもF35Bには勝てないと伝え、「遼寧」は艦載機数では「いずも」より多いという利点はあるものの、艦載機の能力はF35Bの方が圧倒的に上であるため、「いずも」の戦闘力は遼寧より強いと言わざるを得ないと主張。それゆえ、「日本のこの軽空母を決して甘く見ることはできず、強く警戒すべきだ」と結んだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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